創作アナログイラスト|男の子とくまさんとベレー帽とクッキーのかわいい絵

2022/12/25

おはなし(ちょっと長いです...)


「寒いからあったまるといいよ」

と、 クッキー屋の店主が
あったかい紅茶を
おまけしてくれました。

僕は、お店のそばのベンチで
紅茶とクッキーを
いただくことにしました。

歩くたび
足もとでカサカサと、
茶色く干からびた
トチノキの落ち葉が
音を立てます。

町の空は、
どんよりした
灰色の曇り空。

12月に入ってから
ずっとこんな空模様で、

僕の心も
なんだか憂うつでした。


ベンチに着くと、
そこには先客がいました。

誰が置き忘れていったのか、
灰色のくまのぬいぐるみです。

「おとなり、いい?」

僕は隣りに座って、
紙袋を開けました。

ふわっと
あたりに広がるバターの香り。

なにげなく横を向くと、
ぬいぐるみがつぶらな瞳で
こちらを見ていました。

「食べる?」

彼はこくんと頷きました。

僕は雪のかたちの
クッキーを取り出すと、

ふわふわのお手てに
乗せてあげました。

彼はうれしそうに
クッキーを頬張っています。

そのとき、
視界にちらちらと
白いものが舞っていることに
気づきました。

「雪だ!」

僕は思わず立ち上がりました。

町を覆っていた
灰色の雲は、

ようやく今年も
雪を降らせることに
したようです。

僕は友だちにも教えてあげようと
振り向きました。


けれど
ベンチには、
なんにもいませんでした。


きっと彼は、
雪を降らせるために
灰色の雲の上へと
飛んでいったのでしょう。

不思議な出会いに、
僕の心はいつしか
ぽかぽかしていました。


雪はふわふわと
舞い踊りながら、
静かな冬の町に
降りそそいでゆきます……。



|初雪のクッキー|
創作アナログイラスト|男の子とくまさんとベレー帽とクッキーのかわいい絵

ひとこと

冬の男の子とくまさんと雪のクッキーの創作アナログイラストです。

イラストにちなんだおはなしを考えてみたら思ったより長くなっちゃって、なかなかアップできずにいました...!

ちなみに、イラストのタイトルに「初雪」とあるのは、おはなしの内容からになります~。