おはなし
夕飯のコーンスープの
余韻にひたってる所へ、
いたずら顔で兄が言った。
「ねぇ、今からさ……
裏の林に行ってみよう」
「?」
風のない星月夜。
僕らはこっそり
家を抜け出した。
道の途中で、
ちいさな光を見つけた。
ひとつ、ふたつ、みっつ……
真っ暗だった
トウヒの林が、
きらきらと
無数の光に彩られてゆく。
それはまるで……。
「"夜空" が会いに
来てくれたのかな……」
思わずそう呟くと、
「……きっと、
そうかもね。」
かたわらで
やさしい声がした。
ひとこと
ホタルを観にきた兄弟のオリジナルイラストです。
ホタル好きなのですが、田舎の沢や田んぼなどにまだひっそりと棲んでいたりするので、いつまでも会えるといいなあ....と思います。