おはなし
「さむ......」
足先に
凍てついた空気を感じて
目が覚めた。
おもむろに
ベッドから下りて、
結露でくもった窓を
指先で撫でる。
家を囲う
トウヒの森は寝静まり、
まだあたりは青白い
薄明の頃合いだった。
この時間が僕は好きだ。
窓辺にずらりと並んだ
キャンドルライトの
スイッチを入れる。
あたたかな黄色が、
暗い部屋の中で
灯火となって輝いた。
ソファで微睡む
かわいい相棒たちの
機嫌を損ねないように、
いちばん端っこに座る。
「今朝は冷えるね」
そっと撫でてやると、
にゃあと返事をしてくれた。
ひとこと
寒い冬の朝の時間を過ごす男の子と猫を描いてみたオリジナルイラストです。
薄暗い時間帯にフェアリーライトとかキャンドルが灯っているのがとってもすきなので、また描きたいなあ~。